予防歯科

歯が痛くなってから歯医者へ行き、治療をする流れが多いと思います。しかしそれは、大切な歯を失うことに繋がっているのです。1本でも歯を失ってしまうと、咬み合わせが悪くなり全身にさまざまな悪影響が及ぶばかりでなく、虫歯や歯周病、生活習慣病、心筋梗塞のリスク、認知症(アルツハイマー)などのリスクが高まり、さらなる歯の喪失を招くおそれがあります。このように近年は口の中と全身の健康が関係していることがわかっています。
「プロケア(プロフェッショナルケア)」と、歯科医や歯科衛生士の指導に基づいた毎日の「セルフケア」の両方を行うことで、正しい知識を身につけ、生涯を通じて歯をトラブルから守り、管理する「予防歯科」が重要です。
生涯を通じて健康な歯でいるために「予防歯科」をはじめましょう。※3ヶ月~6ヶ月に1度の検診をお勧めします。
予防歯科のポイント
- 歯垢を落とす
1mgの歯垢(プラーク)には約2~3億個もの細菌がいるといわれ、ムシ歯や歯周病、口臭などの原因に。
※歯垢(プラーク)は、歯の表面に付着して増殖する細菌のかたまりのこと。 - フッ素を歯に残す
フッ素は、骨を作るために欠かせない役割の一つ。ムシ歯予防にも高い効果を発揮している。
※フッ素とは、自然界にある元素の1つ。お茶などにも微量に含まれている - 細菌を増やさない
口の中で細菌が増殖すると、歯垢(プラーク)が生成され、ムシ歯などのトラブルの原因に。
予防歯科のメリット
- 虫歯や歯周病を未然に防ぐことができる
- 定期的なチェックにより、問題の早期発見が可能
- 治療期間や治療費を最小限に抑えることができる
- 食べる楽しみや、口元を気にせず笑顔になれ、健康寿命が伸びる
診察内容
- 口腔内検査
歯や歯ぐきの状態のチェック。口の中の細菌数の計測なども行う。
- フッ素塗布
むし歯予防のため、高濃度のフッ素を歯に塗布を行う。
- 歯石除去
歯ブラシでは除去できないこびりついた歯石を、専用器具(スケーラー)を用い除去を行う。
- 歯のクリーニング
たばこのヤニや茶渋、チョコレート、ワインなどの歯の表面に着いた汚れを、専用機械(PMTC)を用い取り除く。
※PMTCは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略 - 歯みがき指導
自宅でできる、一人ひとりの口の状態に合ったセルフケア方法の指導を行う。
- シーラント
奥歯や前歯の深い溝をプラスティック樹脂で埋める、むし歯予防処置を行う。
※乳歯から永久歯に生え替わるタイミングや、永久歯の奥歯が生えてくる頃に行う処置のため、小児歯科診療のみの摘要
予防歯科Q&A
- Q. なぜ3ヶ月に1度の検診がいいのでしょうか?
- A. 虫歯や歯周病・歯面着色・歯石沈着など、早期発見・早期治療ができることと、健康な歯を保つために3か月ごとの検診をお勧めしています。
- Q. 歯磨きしているのに虫歯になってしまうのはなぜですか?
- A. 人間の口の中は一人一人異なります。自身の歯列に沿ったブラッシング方法を行わなかったり、歯並びが悪いと歯ブラシが隅々まで届きにくく、磨き残しが多くなります。また、ゴシゴシと力強く磨くと歯や歯茎を傷つけ、虫歯になりやすくなります。
- Q. PMTCに痛みはありますか?
- A. 使用機材はラバーカップやブラシといった柔らかい素材でできており、痛みはまったくありません。逆に、歯の表面がツルツルして気持ちいいばかりでなく、プラークに含まれる雑菌を落とし、むし歯・歯周病予防の効果があります。
- Q. 保険証は必要ですか?
- A. 診療内容によっては自由診療となります。
虫歯や歯周病など見つかった場合は、保険証があればその場で治療を受けることができますので、ご持参いただくことをお勧めします。
- Q. 治療した歯の詰め物やかぶせものはどのくらい持つのが普通ですか?
- A. 一般的には、歯の詰め物で5年程度、かぶせもので7年程度が平均使用年数です。
きちんと口の中のケアを行っている方は、上記よりも長くなる可能性があります。予防歯科の検診を受けることで、健康的に長く持たせることも可能です。
- Q. 治療した歯がまた虫歯になるのは本当ですか?
- A. 治療した歯と詰め物の間からむし歯になってしまうケースも少なくありません。
特に症状がなくても、予防歯科の検診を受けることで、異常を早く見つけ、症状が軽いうちに治療ができ、虫歯の再発を防ぐことができます。